舗装技術の質疑応答 第9巻 安藤 淳・伊藤 正秀監修 |
まえがきから本書は,既刊の「舗装技術の質疑応答」第8巻に引き続き,平成13年12月号から平成16年2月号までの雑誌「舗装」に掲載された質疑応答特集を集大成,編集したものである. 雑誌「舗装」の質疑応答は,舗装技術者として第一線で活躍されている方々のための技術的な相談の場として設けられたものである.従って,舗装技術の基本に関するものから時代を反映した最新の技術に関するものまでその内容は多岐にわたっているが,本書第9巻の特徴は以下のとおりである. 平成13年7月に全国の道路管理者に通達された「舗装の構造に関する技術基準」および,それを受けて刊行された「舗装設計施工指針」は性能規定を基本とする設計体系となっている.これは,従前の舗装要綱等で示された仕様規定の考え方から大きく変更されたものであるため,本書では巻頭に「性能規定と技術基準」としてとりまとめてある. また,ここ数年は「環境」というキーワードへの国民のニーズが高く,舗装も環境への負荷の少ない構造であることや積極的に道路周辺環境の改善に寄与することが求められるようになってきている. それに応えるべく舗装の技術開発も活発に行われていることから,材料ではセメントの六価クロムへの対応,エコセメント,他産業再生資材の利用,排水性舗装では耐久性の向上策,騒音低減効果の向上策,補修方法,リサイクル,各種の舗装では多孔質弾性舗装,光触媒を利用した舗装,また,品質管理・試験では騒音の予測方法,凍結抑制舗装の効果評価といった機能の評価方法に関する内容等を紹介している. 従来からの舗装の設計・施工に関する疑問も積極的に取り上げており,路盤の一層仕上がり厚や混合物の検査基準や抜き取り検査の検査数,平たん性基準値の根拠などの解説も行っている. なお,本書の原文は先にも記したように平成13年以降のものであるが,現時点では根拠となった法令,図書の中には改訂されているものもある.また,技術によっては大きく進歩したものもある.これについては編者の責任で修正あるいは注記を加えたつもりではあるが見落としも考えられる.その点に関しては,今後の改版等に際して反映したく,読者の皆様からの忌憚ないご叱正を期待したい. 最後に,本書の原文の執筆にあたられた雑誌「舗装」の編集委員の方々,およびその関係者ならびに技術資料等を提供頂いた方々とその機関等に対して厚く御礼を申し上げる次第である.
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詳細目次 |
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8 −2 鋼床版の発錆状態と舗装の耐久性 8 −3 各種舗装の使い分け 8 −4 SMAの配合設計 8 −5 保水性舗装 8 −6 景観設計の配慮点 8 −7 色のもつイメージと景観整備 8 −8 多孔質弾性舗装 8 −9 光触媒を利用した舗装とその評価方法 8 −10 アスファルト混合物による最終処分場のしゃ水工 9 −2 改質アスファルトの曲げ試験 9 −4 低騒音舗装の騒音予測方法 9 −5 等価騒音レベル(Leq) 9 −6 凍結抑制舗装の効果の確認 9 −7 色の評価と舗装への適用 9 −8 アスファルト量の検査基準と混合物特性への影響用 9 −9 抜き取り検査の抜き取り数 9 −10 平たん性sigma =2.4mm以下の根拠 9 −11 路面性状自動測定車 9 −12 路面テクスチャと測定方法 1 0 −2 コンクリートオーバーレイの留意点 1 0 −3 橋面舗装の補修基準 1 1 −2 舗装分野におけるCO2削減 |